井戸冷機工業株式会社 〒090-0818 北海道北見市本町4-10 TEL:0157-23-3333
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                                              北海道新聞 朝刊 H 17.06.01

解凍しても、「生の味」 零下70度の業務用冷凍庫を開発
  量産型では初 電力半減、安価に
   冷凍食材の
マイナス面を解消する超低温冷凍庫。省エネ効果も高い

 札幌市内の機器開発のベンチャー企業、サーモダイナミックシステムズ(井筒忠雄社長)が、零下70度の業務用冷凍庫を開発した。既存の量産型に比べ、2倍の低温化を実現し、電力消費量の半減にも成功」世界最高水準の冷凍技術を確立した。魚や野菜などの生鮮食材の細胞を破壊せず、解凍後も「生の味」が再現できるため、普及に向けて北海道地域総合振興機構(はまなす財財団)が「一次産業活性化の起爆剤になる」と全面支援する。

開発した冷凍庫は圧縮して液化した冷媒ガスを一気に減圧、膨張させて低温化するなどの冷凍サイクルの要所に、流通センサーなどを設直し、特許出願した自動制御システムで冷媒を最適な状態に推持する。

 この技術で新冷凍庫の冷媒ガス圧縮装置は、既存の機の約4分の1の低圧力で稼働。冷媒能力を最大に引き出すことで、省エネと超低温化を両立させた。一般的な業務用冷凍庫の庫内温度は零下35度前後

同70度級は特注分野などに限られ、一時間に100`冷凍処理できる機器の価格は現在約6000万円。それを新冷凍庫約2000万円に抑えた。井簡社長は「量産化でさらに価格は下がる」電気代削減効果も大きい」と協調する・

 一方、はまなす財団は道立食品加工研究センターなどと新冷凍庫の能力を検証。厚さ6センチの生マグロ試験では身が5分間で零下5度に到達したため、氷結晶が微小に生成され、細胞本来の状態が保たれた。しかし、零下38度の既存機では、零下35度まで一時間かかり、氷結晶は大型化。細胞を破り、解凍後にうまみ成分や水分が流出した。新冷凍庫は味が著しく落ちる冷凍食材の問題点を克服し、「生に匹敵する状態に戻せる」(はまなす財団)という。このため、同財団は「冷凍品の商品価値を飛躍的に固める」として、道内の水産会社や農協などへの普及を目指し支援していく。

 

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■新技術のポイント
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